FPGAボード(Lattice LFXP2-5E-5TN144C搭載)を使ってみる ★1 事前準備
この記事を書いたきっかけ
とある事情で,『ディジタル・デザイン・テクノロジ〈No.1〉FPGA超入門』(CQ出版社,2009.5)という本1 を手に入れました.この本にはFPGA基板が付属しており,せっかくなのでこれで遊ぼうと思ったのですが,遊ぶまでが意外と大変だったので事前準備について書き留めておくことにしました. ちなみに基板に搭載されているFPGAはLattice社のLFXP2-5E-5TN144Cで,XP2ファミリにあたります.
開発環境を整える
前述の本にはDVD-ROMが付いており,ispLEVER7.2 SP1 Starterという開発用のソフトウェアが入っています.しかしこれはWindows Vistaまでしか対応していません.
調べてみると,最新の開発ソフトであるLattice Diamondの無料版も幸運なことにXP2ファミリに対応していました.今回はこちらを使用することにします.ついでにリンクも貼っておきます.
Lattice Diamond - Lattice Semiconductor
部品の調達
前述の本に付録のボードなのですが,実は基板に必要な部品の一部は自分で購入してくる必要があります.この基板専用の部品セットをマルツが売っていますが,1,327円と少々高いうえに,在庫もほとんどありません.とりあえずセットの中身を見ていきます.
- ピンヘッダ(1列50極 x1, 2列25極 x2)
- 三端子レギュレータ LM317T
- タクトスイッチ
- 電解コンデンサ(10uF, 25V)
- SPIフラッシュメモリ M25P20-VMN6P(ON Semiconductor社)
ピンヘッダ,LM317系の三端子レギュレータ,タクトスイッチ,電解コンデンサは簡単に手に入るとして,ネックになるのがフラッシュメモリです.M25P20-VMN6Pは生産終了品です.
Lattice Diamondが対応しており2 ,また基板で実装できるパッケージ形状(今回の場合はSOP-8, 幅6.0mm)の部品を探す必要があります. この条件を満たすもので言えば,マルツで売っているMX25L2006EM1I-12G(Macronix社)3 なんかでもいけるかもしれません(未確認). これらの部品を自分で調達すると,合計およそ300円,つまり約1,000円の安上りになる計算です.
書き込みツールの用意
書き込みに用いるダウンロードケーブルは,Lattice社が販売,推奨している純正品(HW-USBN-2B)4 を買うと27,000円します.本のおまけのFPGAのために3万円近くも払いたくないせっかくなら簡単に手に入るもので代替したいので,少し調べてみました.
LatticeのFPGAへの書き込みにはJTAGが用いられています.JTAGは標準規格があるので,モジュールを使えばなんとか済みそうです.実際に秋月のモジュールでLattice社のFPGAへの書き込みをやっている人がいました.この記事は大変参考になったので,同じようなことをするときは参考になると思います.
これを使うと一式2,000円くらいで揃うので,約25,000円浮いた計算になります.失敗しても許せるくらいの出費ですね.
まとめ
いまはマルツでフラッシュメモリを注文している段階なので中途半端なところで終わってしまいました.次はLチカをするところくらいまでは書きたいですね.最近はいろいろとあるので,次の記事は一か月後くらいになってしまうかもしれないです.
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ISBN-10: 4789849406, Amazon: Amazon CAPTCHA↩
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https://www.tecstar.macnica.co.jp/product/lattice/LatticeSupportHP/manual/pdf/Diamond/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3.pdfの8頁目中央の図中,Vendor項の参照による.↩
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https://www.digikey.jp/product-detail/ja/lattice-semiconductor-corporation/HW-USBN-2B/220-1934-ND/5015900↩